成年後見制度とは?
成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な方々を
保護し、支援する制度です。
a) 認知症になるのが不安だ・・・
b) だんだん体が動かなくなり、施設に入りたいが、身寄りが無いので手続きを
代わりにやってもらい、その後の施設の支払いなど頼みたい・・・
c) 一人暮らしの母が、訪問販売で高価なものを買わされているようで心配だ・・・
d) うちの子には精神障害があるが、私達が死んだ後が心配だ・・・
成年後見制度の利用時期
任意後見制度~判断能力が不十分になる前。 例)上記a,b
法定後見制度~判断能力が不十分になった後。 例)上記c,d
任意後見制度
認知症などにより自分の判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ契約を締結し、判断能力が不十分になった時に、財産の管理などの仕事をしてくれる人を自分で決めておく制度です。
判断能力が不十分になった時に、本人があらかじめ契約していた任意後見契約に従って、任意後見人が本人のためにいろいろな手続きを行います。この手続き内容も本人の判断で自由に決めておくことができます。
また、高齢の方など、病気や足腰の不自由な為、判断能力は低下していないが、病院の費用の支払い、施設の支払いやその他の財産管理を代わりにして欲しいと思われる方も多いと思います。将来に備えた任意後見契約とともに、このような財産管理等委任契約を一緒に結ぶこともできます。
財産の管理も自分でできているが、近くに親戚もおらず、急に認知症になってしまったら気付いてもらえるか心配だ、という方には、定期的に本人と連絡をとり、様子を見たり相談に乗ったりする見守り契約を一緒に結ぶこともできます。
任意後見契約には公正証書による契約が必要になります。
法定後見制度
認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な方で、あらかじめ任意後見制度を利用していなかった方を保護する制度が法定後見制度です。
程度によって3つの類型があります。
だいたいの場合は判断できるが、難しい事項については援助してもらわないとできない場合がある場合。
家庭裁判所に選任された補助人が、援助が必要と申立定められた一定の事項について、
本人に変わって行為をしたり、同意をしたり、という形で援助します。
簡単なことであれば自分で判断できるが、法律に定められた一定の重要な事項については、援助してもらわないとできない場合。
このような事項には、家庭裁判所に選任された保佐人の同意が必要になり、同意のない行為は取り消すことができます。
必要があれば、申立により保佐人に代理権を与えることもできます。
常に自分で判断して法律行為ができないという場合。
家庭裁判所に選任された成年後見人が、本人のために契約や財産管理などを行い支援します。
*法定後見制度は、必ずしも自分の信頼している人へお願いする、というものではありませんが、毎年、裁判所に報告することで、本人のための後見が行われているかの裁判所のチェックが入るので、安心できる制度です。